6a027j 会社設立契約書 [フィリピン(運輸会社)]

<英文契約書式集>

会社設立契約書 [フィリピン(運輸会社)]

本契約は、( )年( )月( )日、フィリピン国法により設立され現存する法人で、( )に本社を有し、本契約の締結に際しその社長である( )により代表される( )(本契約中にて以下「XYZ」と称する)と、日本国法により設立され現存する法人で、日本国( )に本社を有し、本契約の締結に際しその社長である( )により代表される( )(本契約中にて以下「ABC」と称する)との間において、フィリピン国マニラ市において締結され、
以下の事を証する。
XYZ及びABCは共に、それぞれの国における倉庫業及び港湾ターミナル事業において、第一人者として認められており、かかる事業につき深い経験と既得の知識とを有し、すでに当該事業にそれぞれ( )年及び( )年従事しており、
XYZ及びABCは、この特定の事業分野において相互の利益を有し、この特定の事業分野における資力、専門的知識及び経験につき、相互に貢献しあう事を共に望んでおり、
XYZ及びABCは、相互の信頼を基礎としている本契約の諸条件を誠実に履行し、遵守する事を通じて、共に協調して事業に着手する事を望んでおり、並びに、
上記を促進するため、XYZ及びABCは、かかる事業に従事する事を目的として、本契約の規定に従い会社を設立し又は設立せしめる事を企画しているので、
よってここに、当事者間で下記の通り合意される。

第1条 新会社の構成
1.本契約の締結後可及的速やかに、倉庫業及び港湾ターミナル事業を行う事を目的として、またかかる目的に直接又は間接を問わずに奉仕し、それを促進する一助となりうるあらゆる事業を行う事を目的として、当事者は、フィリピン国法に基づき、新会社を設立せしめる。新会社は、法律により許容される範囲内で、基本定款に規定されるあらゆる目的及び権限についての記載に基づき、当該事業に従事する会社が通常有し、行使するあらゆる権限を与えられるものとする。かような権限は、当該事業の経営を成功させ、或いは新会社の運営を成功させるために必要又は適切と設立者が考えたものである。

2.新会社の当初の授権資本は、フィリピン通貨で( )ペソとし、これは契約日現在US$( )に相当し、1株の額面金額が( )ペソの株式( )株からなる。新会社の設立後可及的速やかに、当事者は、新会社をして、額面金額で当該株式を当事者に対して発行せしめるものとし、当事者は、下記の通り、当該株式に対する支払いを行うものとする。
a)授権資本の( )%が、当事者の各々により引受けられるものとする。引受全体の( )%は、フィリピン人からなるXYZグループにより保有されるものとし、( )%は日本人からなるABCグループにより保有されるものとする。
b)引受金の( )又は( )%は、XYZグループにより支払われるものとし、一方、ABCグループは、その引受金全額を支払うものとする。
c)XYZグループの引受金のうち未払いの部分については、新会社の取締役会によって要求された時期に要求された金額が支払われるものとする。
d)ABCグループに対して、後により大きな出資比率がフィリピン国法により認められる事がない限り、上記の( )%対( )%の持分割合が常に維持されるものとする。

第2条 株式の売却又はその他の処分
1.本契約当事者は、新会社の設立後( )年間、いずれの当事者も相手方当事者の書面による同意なくしては、新会社の株式を売却若しくは譲渡し、又は株式に抵当権若しくは質権を設定しない事を合意する。
2.当該期間の経過後、いずれかの当事者がその株式の一部又は全部を売却若しくは譲渡し、又は株式に抵当権若しくは質権を設定する事を望む場合において、株式の購入又は抵当権者若しくは質権者となる旨を申し入れている第三者がいるときは、かかる当事者は、当該第三者が申し入れた価格及び条件と同一の価格及び条件にて、まず最初に相手方当事者に対して、書面にて申込みをなすものとする。
3.上記申込みは、申込みをなす当事者が売却、譲渡、抵当権設定又は質権設定を希望するすべての株式について承諾されるものとする。
4.当該申込みは、申込みがなされる当事者の最後に知れた住所宛に、書留航空郵便にてなされるものとする。

5.申込みがなされた当事者が、申込みが郵送された日から60日以内にその申込みの承諾をしない場合には、申込みを行った当事者は、上記の規定にかかわらず、同一の条件にて、株式を売却若しくは譲渡し、又は株式に抵当権若しくは質権を設定する事が出来る。但し、申込みが発信された日から150日以内に株式の売却又は譲渡がなされなかったときは、当該規定が再び有効となり適用されるものとする。
6.上記の株式の売却又は譲渡は、フィリピン国法、並びに管轄権を有するフィリピン政府当局により公布された規則及び規制に服するものとする。

第3条 新会社の基本定款及び付属定款
新会社の基本定款は、フィリピン国法のもとに要求される形式及び内容によるものとする。フィリピン国法により要求されるところに従い、新会社の設立後30日以内に、付属定款が両当事者により作成され、採択されるものとする。新会社の基本定款及び付属定款は、本契約の不可欠の一部となるものとする。

第4条 新会社の名称
新会社の名称は、( )とする。但し、この名称について優先権を有する他の法人が存在するときは、別の名称が当事者により合意されるものとする。

第5条 新会社の運営
新会社は、以下の機関により運営される。
a)フィリピン国法により要求される事項については、株主総会、
b)フィリピン国法により要求される事項については、取締役会、
c)その権限が限定される監査役、
d)その権限が限定される他の役員。

第6条 株主総会
1.株主総会は、フィリピン国法により規定されたすべての権利及び権限を有するものとし、フィリピン国法の規定、並びに管轄権を有するフィリピン政府当局によって公布された規則及び規制に従って招集される。
2.株主総会においては、各一株は、一票を有するものとする。投票権は、代理人により行使される事が認められるが、代理人は、総会に先立って作成され、適切に提示された委任状により、自己が代理人である事を証明するものとする。

第7条 取締役会
1.基本定款は、( )名からなる取締役会について規定するものとする。そのうちの( )名は、XYZグループにより指名された者の中から毎年選任されるものとし、( )名は、ABCグループが合計で新会社の全社外株式の少なくとも( )パーセントを保有する限りは、ABCグループにより指名された者の中から毎年選任されるものとする。取締役の人数の増減がある場合には、代表比率は、常に不変であり、案分比例で割当てられるものとする。
2.取締役の選任は、フィリピン共和国の会社法及び新会社の付属定款の各規定に従い、取締役選任のための株主総会において決議により行われるものとする。各取締役は、その選任後次に行われる年次株主総会まで、後任者が選任され、資格を付与されるまで、或いは本人の死亡まで又は解任されるまで、在職するものとする。

3.フィリピン共和国の法令、新会社の付属定款又は本契約によりこれと異なる規定がなされている場合をのぞき、取締役の過半数をもって会議の定足数を構成するものとし、定足数の満たされた会議に出席した取締役の過半数による決議を、取締役会の決議とするものとする。取締役会における議事が行詰り状態となった場合には、当該事項は、社外株式資本の過半数を代表する新会社の株主により解決されるものとする。
4.取締役会は、新会社による重要な決議事項及び新会社に影響を与える出来事、並びに新会社の収支・財務状況につき、四半期毎の報告書をXYZ及びABCに提出するものとする。
5.XYZ及びABCは、それぞれ自己の費用で、正当に授権された代理人により、通常の業務時間中は随時、新会社の帳簿及び記録を検査し、新会社により採用されている経営及び会計方法を観察する権利を有するものとする。

第8条 業務執行役員
1.新会社は、取締役会会長を一名、同副会長を一名、社長を一名、業務執行副社長を一名、上席副社長を一名及び取締役会が選任する事の出来るその他の副社長を置くものとする。取締役会会長及び副会長は、XYZグループにより指名された取締役の中から選任されるものとする。社長及び業務執行副社長は、ABCグループにより指名された取締役の中から選任されるものとし、上席副社長は、XYZグループにより指名された取締役の中から選任されるものとする。その他の副社長は、いずれのグループからでも選任する事が出来る。
2.取締役会会長が出席する場合には、会長は、株主の会議及び取締役会のすべてにつき議長を務めるものとし、取締役会によって随時委任されるものとされるその他の業務を遂行するものとする。
3.取締役会副会長は、会長を補佐するものとし、会長が不在のとき又は会長に事故あるときは、会長の一切の職務を遂行するものとする。かかる職務遂行に際しては、副会長は、その副会長としての地位に付与された権限に加えて、会長に属する一切の権限を有するものとする。

4.社長は、取締役会の監督に服しながら、新会社の事業の全般的な指揮監督につき責任を負うものとする。社長は、秘書役を通じて、新会社の株券に署名し、認証し、また一般的に、取締役会によって随時社長に対して委任される事のある職務又は新会社の付属定款に規定された職務を遂行するものとする。
5.業務執行副社長は、総支配人とされる一方、新会社の経営についての主席役員とするものとする。副社長は、社長の監督に服するものとし、新会社の日々の事業活動上の配慮、監督及び指揮について責任を有するものとする。
6.上席副社長は、総支配人補佐とされると同時に、業務執行副社長を補佐するものとし、取締役会によって随時委任される事のある職務を遂行するものとする。

第9条 秘書役及び秘書役補佐
新会社は、XYZグループの指名により選任される秘書役及び秘書役補佐を各一名ずつ置くものとする。

第10条 財務役及び財務役補佐
新会社は、XYZグループの指名により選任される財務役を一名及びABCグループの指名により選任される財務役補佐を一名置くものとする。

第11条 監査役
1.XYZ及びABCは、監査役をそれぞれ一名推薦するものとする。
2.監査役は、再指名を受ける事が出来る。
3.監査役は、フィリピン国法によって付与された一切の権利を有し、義務を負うものとする。それ故、監査役は、特に下記の事項について権利を有し、義務を負う。
a)新会社の年次貸借対照表、並びに一切の関連書類及び記録を検査する事。
b)かかる検査の結果を株主総会に報告する事。
c)監査役の職務を引受ける目的にあたり特に必要な場合には、新会社の業務及びその資産状況を調査する事。

第12条 相互協議
この共同事業にとって最善の利益を促進するためにXYZグループ及びABCグループの代表は、それぞれ、新会社の経営に関する重要事項につき、可能な限り多く、相互に協議するものとする。

第13条 契約当事者の役割
1.本契約の締結後可及的速やかに、XYZグループは、以下の事項につきフィリピン共和国政府から必要な一切の承認、認可及び認証を取得するために、或いは新会社をして取得させるべく補佐するために最善の努力をするものとする。
a)新会社の基本定款及び付属定款の登記。
b)ABCグループ及び/又はその子会社若しくは関連会社から新会社に派遣される人員及びその家族が、フィリピン共和国に入国及び滞在するための許可及びその他の便宜。
c)新会社の発展及び成功のために望ましく、また必要なその他一切の許可。
2.本契約の締結後可及的速やかに、ABCグループは、以下の事項につき日本国政府から必要な一切の承認、認可及び認証を取得するために最善の努力をするものとする。
a)新会社に対するABCグループによる投資についての許可。
b)新会社の発展及び成功のために望ましく、また必要なその他一切の許可。

第14条 技術援助
合弁事業の成功のために、ABCグループは、必要な一切の技術援助を提供し、必要な一切の実施許諾を付与する事に同意し、また、遂行されるべきプロジェクトの経済面の管理に関する一切の必要な情報を新会社の利用に供せしめるものとする。日本からの機器及び資材の調達は、競争入札の後に及び/又はABCグループの価格が競争的であるときはその価格にて、ABCグループを通じて取り決められるものとする。

第15条 資金調達
本契約当事者は、新会社の管理及び経営のための資金需要が払込済資本では十分に賄えないときは、新会社は、不足を満たすべく借入を行うものとする事に、合意する。新会社が必要な資金調達を行えない場合には、ABCグループは、新会社がその資金需要を満たせるように援助を行うべく、最善の努力を尽くすものとする。

第16条 権利及び義務の譲渡
本契約は、当事者の承継人を拘束し、承継人の利益のためにも行われるものとし、相手方当事者の事前の書面による同意なくしては、いずれの当事者によっても譲渡される事は出来ないものとする。

第17条 改訂
本契約は、当事者間において当事者により正式に作成された文書によってのみ差替え、改訂又は修正される事が出来る。

第18条 その他の書面の作成及びその他の行為の実行等
本契約の当事者は、本契約の条件及び条項を有効ならしめるために必要な本契約以外の文書及び書面を作成し、並びにその他の行為を行う事を合意する。

第19条 秘密保持
以下の事項につき、XYZ及びABCは、両者で合意し、また新会社をして合意せしめるものとする。
a)本契約に基づき相手方当事者から与えられた一切の技術上及び経営上の情報、知識及びノウハウを、本契約が有効である間及びその終了後も、秘密事項として取扱う事。
b)当該情報、知識及びノウハウを、それを提供した当事者の事前の書面による同意なくして、第三者たる人若しくは会社に公開しない事。但し、当該情報、知識及びノウハウが販売促進のために予定されたものであるとき又は一般的な知識となったとき、或いは受領当事者がすでにそれを保有していた事が証明され得るときは、この限りでない。
c)自己の取締役、役員及び被雇用者、並びに上記の情報等に接する権利を有する者に対して、かかる情報等を秘密にせしめ、秘密とする旨命令及び指示し、並びに秘密とする義務を負わせる事。

第20条 事業年度
新会社の事業年度は、フィリピン政府の会計年度とする。第一期の事業年度は、新会社の登記により開始し、翌年の6月30日に終了するものとする。

第21条 言語
1.本契約は、英語及び日本語にて作成されるものとする。但し、疑義が生じたときは、英語版が正当のものとされ、優先するものとする。
2.新会社と本契約の当事者の間の業務上の通信は、すべて、英語にてなされるものとする。これには一切の報告及び財務報告書が含まれる。
3.新会社の会計は、英語にてなされるものとする。但し、年次貸借対照表及び損益計算書は、英語及び日本語の双方にて記載されるものとする。

第22条 新会社により負担されるべき費用、税金等
1.XYZ及びABCは、下記の行為及び取引のすべての費用、経費及び税金を引き継ぐ事を新会社に同意せしめる。
a)新会社の登記及び関連する公示、
b)新会社の株券の印刷及び発行、
c)基本定款及び付属定款の承認、
d)XYZ及びABCによる新会社に対する協議及び訓練役務の実施。この経費には、XYZ及びABCにより派遣される人員の給料、出発から帰任までの旅費及び妥当な生活費、並びにその他の組織上の費用又は先行する経営費を含む。
2.新会社はまた、その取締役、役員及び被雇用者の給料を負担するものとする。

第23条 不可抗力
本契約の当事者による契約の履行の遅滞又は懈怠は、それがかかる当事者の支配を超えた出来事によるものである場合には、その限度において、免責されるものとする。かかる出来事には、下記の事由が含まれるが、それに限定されるものではない。すなわち、天災、政府の法令又は規制、ストライキ又はその他の労働及び市民騒動、戦争、怠業、並びに上記の事由に類似しているか否かを問わず、当該当事者が支配する事の出来ないその他の事由。かかる契約の履行は、それを履行すべき当事者が上記の事由により履行不能に陥っている期間、その限度において、免責されるものとし、かかる事由は、問題となっている事柄の合理的且つ迅速な処理により、可能な限り治癒されるべきものとする。

第24条 義務の相互免除
本契約及び本契約の条項に従って作成されたすべての合意事項の履行から又はそれに関連して生じた人的損傷又は財産上の損害につき、XYZ及びABCは、下記の事を合意し、新会社をして合意なさしめる。
a)各当事者は、各自の財産上の損害又はその代表者及び被雇用者の負傷若しくは死亡につき、すべての危険を負担し、各自の代表者及び被雇用者の負傷若しくは死亡を理由とする補償請求又は過失行為をも含めた責任につき、相手方当事者を免責し、損害を及ぼさないようにする。
b)本契約の各当事者は、その財産上の損害につき、一切の補償請求又は過失行為をも含めた責任から、相手方当事者を免責する。

第25条 仲裁
本契約から又は本契約に関し若しくは関連して生ずる事のある紛争、論争及び/又は困難は、本契約の当事者間における相互協議を通じて、友好的に解決されるものとする。前記に規定した相互協議を通じては解決されない紛争、論争及び/又は困難は、仲裁により最終的に解決されるものとする。仲裁は、国際商業会議所の仲裁規則に従い、或いは事情の如何によっては、日本国東京に所在する日本商事仲裁協会の仲裁規則に従い、訴えを受けた者の所在する地において行われるものとし、仲裁の費用は、両当事者により等分されるものとする。

第26条 契約発効日及び期間
本契約は、両当事者の署名がなされたのち、日本国政府及びフィリピン国政府の認証を受けたときに発効するものとし、XYZ及びABCが直接又は間接を問わず新会社の株式を保有する限り、効力を有するものとする。

第27条 解釈
本契約は、フィリピン国法によって支配され、同法に従って解釈されるものとする。

第28条 通知
1.本契約に関してなされるすべての通信は、英語にてなされるものとする。
2.下記と異なる住所が当事者の一方から相手方当事者に対して本契約中にて規定された方法に従って書面により通知されない限り、本契約に関してなされる通知は、当事者の一方から相手方当事者に対して、下記に明示されたそれぞれの住所宛に、料金前払航空郵便、ファックス又は電子メールにてなされたときに、有効に与えられたものとみなされるものとする。
XYZ:フィリピン国( )
ABC:日本国( )

第29条 清算
新会社の清算は、フィリピン国法の規定に支配されるものとする。

上記の証拠として、本契約当事者は、冒頭記載の年月日に、正当に授権された代表者により本契約を正当に作成し、それぞれの名において署名せしめた。
ABC:
会社名;( )
署名欄;( )
署名者名;社長( )
XYZ:
会社名;( )
署名欄;( )
署名者名;社長( )