<英文契約書式集>
業務提携契約書 [日本(製造販売会社)]
本契約は、( )年( )月( )日に、米国( )にその主たる営業所を有する( )(本契約中にて以下「XYZ」と称する)と、日本国( )にその主たる営業所を有する( )(本契約中にて以下「ABC」と称する)との間で作成され、
以下の事を証する。
ABCは、本契約中以下に記述され「契約品」として知られる製品の製造・販売を希望しており、当該契約品の製造に関する技術協力をXYZに要請しており、
XYZは、その契約品の製造に関して特許、商標及びノウハウの形態で技術を有しており、ABCを援助する意思があり、
本契約当事者は、その契約品及び随時当事者間で合意される他の製品を販売する目的で、日本国に共同して新会社を設立する事を希望しているので、
よってここに、XYZ及びABCは、以下の通り合意した。
第1条 新会社の設立
XYZ及びABCは、本契約の署名日後、可及的速やかに、契約品及び両当事者の相談と同意で決定したその他の( )製品の販売事業を目的として、日本国に「( )」なる商号で、日本国法人として新会社(本契約中にて以下「新会社」と称する)を共同して設立する。新会社は、設立時に( )日本円の授権資本を有し、その資本は、ABCによって90%払い込まれ、XYZによって10%払い込まれて全額支払われるものとし、授権発行株式の90%がABCに対して発行され、授権発行株式の10%がXYZに対して発行されるものとする。但し、新会社の創立後3年以内に、XYZは、ABCへの最初の発行価格で、授権発行株式資本の20%を追加購入する権利を有する。新会社の設立時においては、授権株式数が( )で、そのうち( )が発行されるものとする。
第2条 取締役会
1.新会社は、( )名超の取締役によって構成される取締役会により運営される。XYZは2名の取締役、即ち( )及び( )を選定する事が出来、ABCはその他の取締役を選定する事が出来る。
2.新会社は、ABCによって指名された1名の社長及びXYZによって指名された1名の副社長、即ち( )を置くものとする。
3.新会社の各取締役及び役員に対する報酬は、確定的な利益の発生時又はその後に配分されるものとし、新会社の株主総会の承認を条件として取締役会によって決定される。
4.本契約に反対の規定があるにもかかわらず、株主への配分又は配当、或いは役員又は取締役への報酬に関しては、そのために少なくともXYZによって指名された1名の取締役が賛成投票する事を要件とし、且つ株主の承認又は同意が必要な場合には、XYZが該会社の授権発行株式の10%を所有するとき、そのために少なくとも議決権付株式の91%の賛成投票、XYZが該会社の授権発行株式の30%を所有するとき、71%の賛成投票を要件とする。
第3条 販売権
1.XYZ及びABCは、本契約により、XYZ及び/又はABCによって製造され又は取扱われるすべての契約品を以下に定義する契約地域にて販売する、唯一且つ独占的な販売店に新会社(設立次第)を指名し、ABCは、XYZとともに、新会社が本契約によってその指名を承諾する事に同意する。
2.ABC及び新会社は、各々自己の計算で販売を行い、ABCは、新会社への販売用に製造した契約品の品質保証をするものとする。
第4条 契約品の販売
1.新会社は、すべての工業所有権、ノウハウ及び契約品の製造に関するその他の技術を含むXYZの技術を使用して、日本、( )及びXYZによって同意されるその他の国(本契約中にて以下「契約地域」と称する)において、契約品の販売を勤勉に促進する。
2.新会社は、ABC及びXYZから( )具及びその他の物品を購入する。ABC又はXYZは、新会社に販売される物品に関して公正な値上げを受入れられるが、ABCは、XYZの承認なくして、XYZがC.I.F.契約地域渡しで新会社に物品を販売するよりも高価額で新会社に販売してはならないものとする。本契約の付属書( )は、製造物品に関する値上方針を設定する。
3.ABCが、ABC名で日本以外に新会社製品を販売する事を選択する場合、ABCは、新会社から購入する物品に関して同率の値上額を新会社に支払う事に同意する。
第5条 技術提携契約の実施権
1.XYZは、本契約により、本契約の条件に基づき且つ有効期間中、XYZによって製造されているものと同様のすべての( )具及び契約品(本契約中にて以下「契約品」と称する)を、XYZによって供給された特許及びノウハウに基づいて契約地域内において製造する、唯一且つ独占的な実施権をABCに付与する。
2.ABCは、日本以外での融通性のある且つ有利な取引条件を新会社へ提供するため、契約地域として定義している地域内に製造体制を設定する事が出来る。
第6条 ロイヤルティ
本契約に基づいてABCに対してXYZにより供与される技術援助の対価として、ABCは次の通り技術料を支払う。
1.一括払いロイヤルティ
両当事者による本契約の署名日から30日以内に、ABCは、本契約の有効期間中、契約地域内において、ABCに付与される実施権及び技術援助の対価として、( )米国ドルの1回限りの支払いをする。
2.ランニングロイヤルティ
更にABCは、ABC及び/又は下請けとしての指定製造業者によって製造された契約品の工場渡し価格の( )%を、ランニングロイヤルティとしてXYZに支払うものとするが、ABCが契約品の製造に必要な原料及び部品をXYZから購入した場合には、当該原料及び部品の原価は当該工場渡し価格から控除される。ランニングロイヤルティは、本契約の有効期間中3カ月ごとに計算され、支払いの説明書を付けて、前3カ月間の各最終日後30日以内にXYZに支払われる。本項の目的のため、工場渡し価格とは、ABC又は指定下請業者によって製造される契約品の新会社への販売価格とする。
3.会計及び報告
a)本契約の有効期間中、各3カ月間の最終日後30日以内に、ABCは、XYZに該期間中にABCによって販売された製造契約品の数量及び工場渡価格を記載した計算書を提出するものとする。
b)ABCは、支払額の明細計算と証明のために合理的に必要とするすべての資料を含む真正且つ正確な記録、記帳及び会計帳簿、並びに本契約で規定された計算書に表示された情報を保管しておく。ABCは、通常の営業時間中に、独立した授権された会計士であるXYZの代理人がABCによって支払われるべき金額を決定する目的のためにのみそれらの帳簿類を十分に監査する事を許容する。
第7条 技術情報
本契約の署名日後ですべての条件が本契約で達成された後直ちに、XYZは、契約品に関する仕様及び図面を含む、契約品の製造に必要な技術情報をABCに提供する。
第8条 下請け
ABCは、契約地域にて下請けとして製造業者を指名決定し、XYZによって提供された技術情報及び/又はXYZ又はABCによって開発された改良技術に従って製造業者に契約品を製造させる事が出来る。
第9条 改良技術
1.XYZは、契約品に関連して開発及び改善されたすべての改良技術をABCに通知し、本契約の有効期間中、追加技術料無しで契約地域内にて、当該改良技術に関する唯一且つ独占的な実施権をABCに付与する。
2.ABCは、契約品の製造につき仕様、設計及びその他の技術を改良する事が出来るものとし、ABCが当該改良を行った場合、ABCは、当該改良、開発及び修正をXYZに通知して、ABCは、いかなる技術料も無しで、当該改良技術を唯一且つ独占的にXYZに付与する。
3.上記の場合、改良を行った各当事者は、当該改良に関するすべての技術情報を、相手方当事者より要請されたときには無料で適切な見本とともに、相手方当事者に提供する。
第10条 工業所有権
XYZ及びABCは、契約品の改良技術又は新製品に関連する工業所有権、特許及び商標を、必要とあらば契約地域にて出願する事に協力する。ABCは、契約品の製造において、新会社は、契約品の販売において、「( )」なる商標及びロゴを契約地域において使用する事が出来る。XYZは、日本及びABC及び/又は新会社が必要とみなす契約地域内の他の国で、上記商標及びロゴを登録する。それにより発生する費用は、ABC、XYZ及び新会社により同等に負担されるものとする。工業所有権は、第20条に従ってXYZの所有にとどまるものとする。
第11条 見本
ABCは、本契約に添付された付属書( )に表示されている見本をXYZから輸入し、契約地域の各国の性格に応じてそれらの仕様及び/又は設計を改善又は改良すべく検討し、XYZは、契約品を製造するための工程上、経験に基づく技術知識及び助言をABCに提供する事により、その改善又は改良を助けるものとする。
第12条 技術指導
1.ABC及び/又は新会社の要請により、本契約の有効期間中、XYZは、選任役員及び/又は熟練技術者を、ABC又は契約地域内のABCが指定する現場に派遣する。この場合、ABC及び/又は新会社は、米国の国際空港から契約地域の国際空港への往復運賃、国内交通費、ホテル、レストランのための、現地実勢基準に基づく日割計算基準を最高限度とする通常の合理的生活費及び地域内における営業活動に関連して発生する傷害医療費の如きすべての費用を負担するものとする。
2.可能な場合、新会社は、日当( )米国ドルを超えず米国の実勢上昇率で年単位で増加する技術役務料とともに上記費用を負担する見込みのある、顧客に技術役務を販売する。
3.XYZの社員のABCへの派遣に関するその他の詳細は、本契約の有効期間中随時当事者間で密接に協議され、決定されるものとする。
第13条 契約地域外へのABCによる輸出製品
ABC又は新会社が契約地域から本契約中にて定義された契約品以外の製品を輸出する事が可能になったとき、ABC又は新会社は、その旨XYZに通知し、製品が品質、価格、規格及びその他の条件に関してXYZの要請に一致する限り、該製品を本契約第4条で規定した地域外のすべての地域にて販売する唯一且つ独占的な販売店のXYZを指名し、XYZは、当該指名の承諾につき書面でABCに通知する。当事者間で書面による別途の合意のない限り、本契約本条に基づく取引に関するすべての支払いは、C.I.F.指定港条件で、買主によって指定した国及び通貨で船積書類と引換えに買取られ且つ支払われる確認付取消不能商業信用状に基づいて行われる。
第14条 ABCによって輸入される材料
1.ABCは、ABC又は顧客の建設工事に使用される色料及び他の材料、並びにABC又は指定製造業者が契約品を製造するにつき使用する原料及び部品を、XYZ又はXYZの推薦する他の会社から購入する事が出来るものとし、XYZは、当該原材料及び適切な供給者を見つけるためにABCを援助する。
2.ABCが上記原材料の調達をXYZに要請したとき、XYZは、その原材料を調達してC.I.F.(運賃保険料込み条件)日本港の条件でABC又は指定製造業者又は下請業者に販売する。但し、XYZは、当該原材料が完成品の場合には原材料の工場渡し価格の10%を限度として、当該原材料が契約品及び/又は第13条で記述した製品のための原料又は部品の場合には原材料の工場渡し価格の3%を限度として、両当事者間の売買取引から利益を得る事が出来る。両当事者間で他に書面による合意のない限り、本契約本条に基づく取引に関するすべての支払いは、C.I.F.指定港条件で、買主によって指定した国及び通貨で船積書類と引換えに買取られ且つ支払われる確認付取消不能商業信用状に基づいて行われる。
第15条 密接な協力
XYZ及びABCは、本契約に基づいて意図された目的を達成するために密接に協力し、両当事者間の密接な関係を維持する。本契約両当事者は、より深い理解を得るために、少なくとも1年に1回相互に訪問する。当該訪問に関する費用は、本契約中他に規定のない限り、各々の当事者によって支払われる。
第16条 期間
1.本契約は、両当事者の署名の日に発効し、第21条及び第22条にて規定した場合を除き、( )年間有効に存続する。その後本契約は、本契約の満了日前に書面で両当事者によって合意された条件に従って更新されるものとする。
2.本契約の更新に入る時及びその後、両当事者により新たに合意される継続技術料を除き、いかなる技術料も、ABCによってXYZに支払われない。
第17条 譲渡
いずれの当事者も、相手方当事者の事前の書面による承諾無くして、該承諾は不合理に留保してはならないものとするが、合併又はその他のいかなる方法によっても、いかなる第三者にも本契約又は本契約に基づく権利を譲渡してはならない。
第18条 完全なる契約
本契約は、本契約の主題に関する完全且つ唯一の契約を構成し、書面又は口頭を問わず、いかなるすべての合意にも優先するものとし、書面にてABC及びXYZによって署名され合意されない限り修正又は改訂出来ないものとする。
第19条 訴訟
本契約に基づいて実施権を付与された技術の使用が契約地域内の第三者の工業所有権を侵害した場合、又は( )若しくは( )を含む第三者と紛争になった場合、XYZ、ABC及び新会社は、当該問題の解決のために相互に協力し、第三者のクレーム及び苦情から防禦する。当該行為におけるすべての費用は、XYZ、ABC及び新会社によって平等に負担される。
第20条 商標
XYZは、本契約の主題である( )に使用されている添付表に記載したすべてのマークの唯一且つ独占的な所有権者である。ABCによる世界のいかなる国における前述記載マークのいかなる使用も、「( )」に該マークを使用するために確定した合理的な標準を随時設定し且つ実施しているXYZの独占的利益に帰すものである。更に、本契約の終了時に、本契約に基づいてABCが保証されている権利を有するいかなる国における上記マークを使用する権利に関して本契約にて確立され且つ規定されている関係はXYZに復帰するものとし、ABCの名義で保持されている当該マークに関する登録は、本契約の終了時に、XYZに譲渡されるものとする。
第21条 新会社の承認
本契約は、新会社基本定款及び付属定款のXYZ及びABCによる承認を条件とする。当該基本定款及び付属定款が、本契約の署名から30日以内に両当事者によって書面にて相互に同意されない場合、本契約は無効とし、XYZ又はABCのいずれも、すべての技術書類、見本及び宣伝物を原所有者に返還すべき事を除いて、相手方当事者に対していかなる責任も負わないものとする。
第22条 終了
本契約に反対の規定があるにもかかわらず、本契約の最初の24カ月以内に、XYZが実施料、利潤及び役員及び取締役の報酬の合計額として( )米国ドルを受領出来なかった場合には、XYZは、ABCに書面による通知を与える事により、該24カ月間の最終日後60日以内に、独自の裁量で本契約を全面的に終了する絶対的な権利を取得する。終了時には、いずれの当事者も、実施権及び本契約中にて言及した他の物件の返還を除いて、相手方当事者に対していかなる責任も負わないものとする。
第23条 仲裁
1.本契約から若しくは本契約に関連して当事者間に生ずるすべての紛争、論争若しくは意見の相違又は本契約の違反は、1952年9月16日の日米商事仲裁協定に従い、仲裁によって最終的に解決されるものとし、XYZ、ABC及び新会社は、これに拘束される。
2.但し、問題を仲裁に付託する前に、XYZ、ABC及び新会社は、当該問題を円満に解決するために相互に助け合い且つ協力し、全当事者の幸福と繁栄のために全力を尽くすものとする。
上記の証拠として、本契約当事者は、冒頭に記載した日に正当に授権された役員をして本契約書に署名させた。
XYZ:
XYZの名称;( )
署名欄;( )
署名者;( )、社長
ABC:
ABCの名称;( )
署名欄;( )
署名者;( )、社長