8a101jEU排出枠排出権売買マスター契約書(モデル書式)

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EU排出枠排出権売買マスター契約書(モデル書式)

日付:

当事者

[ ]法に基づいて存続し(登録番号[ ])、[登録/本社/営業]事務所を[ ]に置く[法人、合資会社など]である[団体名](以下「当事者A」と称する)

[ ]法に基づいて存続し(登録番号[ ])、[登録/本社/営業]事務所を[ ]に置く[法人、合資会社など]である[団体名](以下「当事者B」と称する)

序文

A.欧州共同体および加盟国は、2002年12月11日付の指令案14935/02 ENV 718 MI 286 IND 96 ENER 298 CODEC 1565(以下「指令案」と称する)に従い、参加者が温室効果ガスの排出枠を売買することができる制度を直接または間接に確立することを計画している。

B.両当事者は、現在または将来において本EU排出枠排出権売買マスター契約書が適用される、単独または複数の本件取引(別紙1に定義の通り)を締結済みであるおよび/または締結することを予想している。本EU排出枠排出権売買マスター契約書には、その本件取引、別紙ならびに、両当事者の間で交わされた、その本件取引を確認する文書その他の確認書(それぞれを以下「本件確認書」と称する)が含まれる(以下「本契約書」と総称する)。

C.それぞれの本件取引は、現在または将来において、本件排出枠の移転を通じた本件排出枠の売買に関するものである。

D.両当事者は、それぞれの本件取引がEU排出権取引制度に従って本件排出枠の売買を定めたものとなることを意図している。

本契約書に明記された相互の約束を約因として、かつ、他の有効な約因(その受領および十分性については両当事者が確認している)のために、両当事者は以下の通り同意する。

第1条 解釈
1.1 定義 大文字で始まる用語であって本契約書の本文に定義されていないものは、別紙1で指定された意味を有する。

1.2 単一の契約。すべての本件取引は、本契約書、すべての本件確認書およびすべての本件取引が両当事者間の単一の契約を構成することを前提にして締結され、両当事者は、他の前提に基づいて本件取引を締結しないことを認めこれに同意する。

1.3 解釈。本契約書には以下の解釈規定が適用される。
(a) 法律文書に関する表記には、その修正、統合、再制定および代替を含む。
(b) 「条項」または「別紙」とは、本契約書の条項または別紙をいう。
(c) 文脈上、認められるまたは必要とされる場合、単数形の語は複数形を含むと解釈されるものとし、複数形の語は単数形を含むと解釈されるものとする。
(d) 「含む」および「特に」という表現は、説明または強調のみを目的として用いられるものであり、制限を否定する文言が付記されているか否かにかかわらず(「制限なく」「これに限定されない」その他類似の表現など)、前の語の一般性を制限するために用いられるものではない。
(e) 本件取引の条件と本契約書の本文の間に矛盾点がある場合、その本件取引に関しては本件取引の条件が優先する。
(f) 「時間」はすべて別紙2に指定の通りである。時間が指定されていない場合は、中央ヨーロッパ標準時とみなされる。
(g) 別段の定めがない限り、
(i) 本契約に基づいていずれかの行動が銀行営業日以前に行われる場合、または、いずれかの期間が銀行営業日までの場合、かかる行動についてはその銀行営業日の17時までも行うことができ、または、当該期間はその銀行営業日の17時までとする。
(ii) 本契約に基づいていずれかの行動が銀行営業日以後に行われる場合、または、いずれかの期間が銀行営業日から始まる場合、かかる行動についてはその銀行営業日の9時から行うことができ、または、当該期間はその銀行営業日の9時からとする。
(iii) 本契約に基づいていずれかの行動が銀行営業日に行われる場合であって、その銀行営業日の17時より後になされたとき、翌銀行営業日になされたとみなされるものとする。
(iv) 本契約に基づいていずれかの行動がある日以前に行われる場合、または、いずれかの期間がある日までの場合、かかる行動についてはその日の終了まで行うことができ、または、当該期間はその日の終了までとする。
(v) 本契約に基づいていずれかの行動がある日以後に行われる場合、または、いずれかの期間がある日から始まる場合、かかる行動についてはその日の開始以降に行うことができ、または、当該期間はその日の開始以降とする。

第2条 排出権取引制度の不成立
本契約は、EU排出権取引制度が2008年1月1日までに指令に従って発効することを条件としている。本条件が満たされない場合、各当事者は、本契約を撤回するか、本条件が満たされるまで期間を延長することができる。かかる撤回の場合、本契約は終了し、いずれの当事者も、その終了を理由として相手方にいかなる責任も負わない。ただし、売主は、排出枠に関して買主から受領した金員につき、9.5(b)に従って支払うべき金利を加算してただちに返却するものとする。

第3条 確認手順
3.1 本件取引に関する合意。両当事者は、本契約およびそれぞれの本件取引の諸条件に法的に拘束されることを意図している。

3.2 本件確認書の交換。
(a) 別段の合意がない限り、売主は、別紙3に定められた書式とほぼ同じ書式で本件取引の明細を記録した本件確認書を、本件取引の締結から3銀行営業日以内に、ファクシミリ(または、存在する場合は、別紙2に明記された他の手段)で買主に送信するものとする。
(b) 本件確認書が本件取引の諸条件を正確に反映していると買主が満足した場合、買主は、本件確認書を売主から受領してから3銀行営業日以内に本件確認書をファクシミリ(または、存在する場合は、別紙2に明記された他の手段)で売主に返送するものとする。
(c) 本件確認書が本件取引の諸条件を正確に反映していると買主が満足しない場合、買主は、本件確認書を受領してから3銀行営業日以内に不正確な点を売主に通知するものとする。本件確認書が不正確であることに売主が同意した場合、売主は、新たな本件確認書を発行するものとし、必要なあらゆる変更が加えられた上で3.2(a)および3.2(b)の各規定が適用されるものとする。
(d) 買主が本件取引の締結から3銀行営業日以内に売主から本件確認書を受領しなかった場合、買主は、本件確認書を売主に送付するものとし、その本件確認書に関して3.2(b)および3.2(c)が適用される。その際、当該条項における「買主」のすべての表記を「売主」に、「売主」のすべての表記を「買主」に変えるものとする。
(e) いずれかの当事者が本件確認書を送付または返送しなくても、(i)本件取引の有効性および実施可能性には一切影響が及ばず、また、(ii)13.2(c)に基づく本契約の重大な違反にあたらない。

3.3 本件取引の証拠。両当事者は、本契約の全部または一部に関して両当事者間で交わされた電話での会話がすべて記録されることに同意する。各当事者は、その同意を各自の従業員に通知し、法律上、必要になった場合にはその記録に関する従業員の同意を取り付けることに同意する。その結果として生じた記録その他の証拠は、両当事者間の本件取引を証明し本件取引に関するあらゆる事項を立証するために発表されることがある。本項に基づいてなされた記録に含まれた本件取引の諸条件の証拠に関する優先順位は、別紙2に明記の通りである。

第4条 一般義務、表明および保証
4.1 表明および保証。各当事者は相手方に対し、下記の各事項を表明しこれを保証する(かかる表明および保証については、本件取引の締結日ごとに、各当事者によって繰り返されるとみなされる)。
(a) 状態。当事者は、設立時の法域の法に基づいて正式に設立され、有効に存続している(および、その法に基づいて関連性がある場合は、良好な状態にある)。
(b) 権限。当事者は、
(i) 本契約書ならびに本件取引ならびに本契約書および本件取引に関連する他の文書(自身が当事者であるもの)を締結する権限を有し、
(ii) 本契約書を交付する権限、ならびに、本契約 書および/または本件取引に関連する他の文書であって、交付が本契約書または本件取引によって義務づけられているものを交付する権限を有し、
(iii)本契約書および本件取引に基づく義務、ならびに、自身が当事者であるクレジット・サポート書上のあらゆる義務を履行する権限を有し、
その締結、交付および履行を許可するあらゆる必要な承認、承諾、許可その他の決定を取得・確保済みである。
(c) 違反および矛盾の否定。4.1(b)に明記された締結、交付および履行は、憲法の規定、当事者もしくは当事者の資産に適用される裁判所もしくは他の政府機関の命令・判決、または、当事者もしくは当事者の資産に対して拘束力を有するもしくは影響する契約上の制約事項を含むがこれらに限定されない、あらゆる法律文書に違反または矛盾しない。
(d) 必要許認可。すべての必要許認可は、すでに取得済みであり、かつ完全に有効であり、必要許認可のすべての条件は満たされている。
(e) 義務の拘束力。本契約書およびクレジット・サポート書(自身が当事者であるもの)に基づく当事者の義務は、合法的、有効かつ拘束力を有する義務であり、(i)適用される破産法、会社更生法、支払不能法、支払猶予法または債権者の権利全般に影響する類似の法に従い、かつ、(ii)衡平法上の一般適用原則に従い、それぞれの条件に基づいて強制可能である。
(f) 不履行事由の否定。当事者に関して、不履行事由または、通知および/もしくは時間の経過によって不履行事由となる事由は一切発生しておらず、また、当事者が本契約書もしくはクレジット・サポート書(自身が当事者であるもの)を締結した場合、または、当事者が本契約書もしくは当該クレジット・サポート書に基づく義務を履行した場合にも、上記の事由は一切発生しない。
(g) 訴訟の否定。コモンローまたは衡平法に基づく訴訟、仲裁または行政訴訟であって、不利に判断された場合に、当事者の財務状態もしくは、当事者が本契約書・クレジット・サポート書(自身が当事者であるもの)に基づく義務を履行する能力に重大かつ不利な変更が生じるもの、または、本契約書もしくはそのクレジット・サポート書の合法性、有効性もしくは実施可能性につき、当事者に不利に影響する可能性があるもの、もしくは、当事者が本契約書もしくはそのクレジット・サポート書に基づく義務を履行する能力に影響する可能性があるものは現在、裁判所、裁定機関、政府機関、当局者または仲裁人に一切提起されておらず、かつ、当事者が知る限り、現在、当事者または当事者の関連会社に対してかかる訴訟、仲裁または行政訴訟の脅威は存在しない。
(h) 依拠の否定。当事者は現在、本契約書またはクレジット・サポート書(自身が当事者であるもの)に明記されたものを除き、相手方の表明に一切依拠していない。
(i) 本人。当事者は、本契約書およびクレジット・サポート書(自身が当事者であるもの)につき、代理人または他の立場、受託者その他としてではなく、本人として交渉し、締結し、発効させた。
(j) 危険負担。当事者は、本契約書およびクレジット・サポート書(自身が当事者であるもの)につき、その諸条件を完全に検討し、その諸条件および危険を完全に理解した上で締結しており、かつ、その危険を負担する能力がある。
(k) 助言の否定。相手方は、当事者の受託者または助言者として行動しておらず、また、相手方は当事者に対し、予想される本契約の履行、利益または結果に関する助言、表明、保証または保障を与えていない。
(l) 正確な情報。当事者が直接または間接に相手方に書面で提供する関連情報(ただし、4.4項に従って提供された情報は除く)であって、本契約が適用されるまたは本契約に関連すると確認されたものはすべて、相手方に提供される日時点で、あらゆる重大な点において真正かつ完全である。

4.2 必要許認可。各当事者は、本契約の期間中常に、すべての必要許可の有効性を維持するものとする。

4.3 EU排出権取引制度。4.2項を損なうことなく:
(a) 各当事者は、指定加盟国の登録簿に有効に登録された一つまたは複数の取引口座を開設するべく図るものとする。かつ、
(b) 各当事者は、管轄当局が以下の行動を取る根拠を与えないように業務を遂行するものとする。
(i) 本契約に基づいて要求された移転(全部であるか一部であるかを問わない)を拒否、却下または中止する。
(ii) 一方の当事者が将来の移転を要求または実施する権利を一時的に剥奪または制限する(将来の当該取引口座の一時取り上げまたは取り消しを含むがこれに限定されない)。

4.4 年次報告書の提出。当事者は、相手方から書面で要求された場合、最後に終了した年度に関し、その年度の終了から120日以内に、かかる当事者の(または、当該期間について、かかる当事者の義務がクレジット・サポート提供者の支援を受ける場合は、そのクレジット・サポート提供者の)、当該年度に関する監査済み連結財務諸表が含まれた年次報告書の写しを提出するものとし(ただし、インターネットの当該当事者または場合に応じてそのクレジット・サポート提供者のホームページ上で自由に閲覧することができない場合)、株主、債権者その他の利害関係者に提供された年次報告書を添えるものとする。いずれの場合も、本4.4項で明記された財務諸表については、当該法域における一般会計原則に従って作成することとする。

第5条 排出枠の移転
5.1 主要義務。
(a) それぞれの本件取引に関して、売主は、本契約の諸条件およびEU排出枠の移転に適用される国内の法規に従って年取引排出枠を売却・移転することに同意し、買主は、本契約の諸条件およびEU排出枠の移転に適用される国内の法規に従って年取引排出枠を購入・受領することに同意する。
(b) 本件取引は、単独または複数の指定年を対象とすることがあるため、単独または複数の指定年に関するVTA量および引渡日を指定することがある。本契約書中において本件取引の一部について言及している場合は、本件取引が複数の指定年を対象とする場合の個々のVTA量を意味している。
(c) 本契約においては、買主が指定した加盟国登録簿の買主の取引口座に排出枠が移されたときに、本件取引(または本件取引の一部)が行われたとみなすものとする。
(d) 年取引排出枠またはその一部に関する所有権および危険負担は、買主の取引口座に移転された時点で売主から買主に移る。売主は、いずれかの者による先取特権、担保権、請求権および抵当権または何らかの権利が一切付かない状態で年取引排出枠を買主に引き渡すことを保証する。かかる権利には、管轄当局が、買主の取引口座への移転より前に生じた、または、買主の取引口座への移転より前の期間に関する、年取引排出枠を取り消す権利が含まれる。

5.2 十分な排出枠。本件取引およびVTA量に関して、売主は10.2項に従い、本契約、関連する本件取引および取引制度に従って移転要求が認められるはずの時期に、取引制度に基づく移転要求が確実に認められるように、移転元の取引口座に移転可能な排出枠が十分存在するよう図るものとする。

第6条 移転の実現
6.1 5.1(a)の目的上、売主は、取引制度に従ってそれぞれのVTA量に関する移転要求を締切時間までに行うものとし、移転要求が登録簿に提出済みであることを買主に通知するものとする。

6.2 売主は、取引制度の目的上、それぞれの移転要求が認められるように、移転要求が本件取引を構成する移転のあらゆる関連項目(または、場合に応じてそのうちの関連部分)を正確に反映し、取引制度に基づく情報条件を満たすものとなるべく図るものとする。

6.3 6.1および6.2を損なうことなく、両当事者は、年取引排出枠を引渡日までに買主の口座に移転するために(および、当該移転を妨げる行動または当該移転を妨げると合理的に予想される行動を控えるために)、それぞれの本件取引に関して相互に協力することに同意し、また、取引制度に基づいて必要とされ、取引制度によって義務づけられた行動を取ることに同意する。

6.4 各当事者は、取引制度に基づいて移転要求を行い、本件取引を実現するために必要な連絡網を有し、それを維持し、取引制度に基づいて移転要求を行い、本件取引を実現するために必要な他の条件および要求事項に従うことを確実に行うものとする。

第7条 移転の不成立
7.1 不正確または不完全な移転要求。売主が第5条および/または第6条に違反して、義務づけられた移転要求を締切時間までに行わなかったために、または、不完全な移転要求を行ったために、買主の取引口座に移転される排出枠の量が、かかる移転要求に基づいて移転されるはずの量に満たない場合、
(a) 両当事者は、かかる移転要求の不履行または移転要求における当該瑕疵または移転要求に従って移転された排出枠の数の不足を治癒することを目的として、相互に協力し、EU排出権取引制度に従って必要とされる措置を各自の権限の合理的な範囲内で速やかに講じることに同意する。
(b) 各当事者は、相手方への通知により、かかる移転要求の不履行、移転要求における当該瑕疵または移転要求に従って移転された排出枠の数の不足を治癒することを目的として、当該通知で定められた期間内に、EU排出権取引制度に従って必要とされる措置を相手方の権限の合理的な範囲内で速やかに講じることを相手方に要請することができる。

7.2 通知の不履行。
(a) 売主が
(i) 第5条および/もしくは第6条に違反して、何らかの理由により締切時間までに買主の口座に要求された移転を行わない場合(欧州取引記録もしくは国際取引記録の介入の故に、移転が中断、遅延もしくは永久的停止した場合であって、かかる中断、遅延もしくは停止の故に買主に超過排出量ペナルティが科せられないときを含む)、
(ii) 第5条および/もしくは第6条に違反して、買主の口座以外の口座について移転要求を行った場合、または、
(iii) 7.1(b)に基づいて買主からなされた通知に従わない場合、
売主は買主に対し、買主に生じた損害に関する賠償として、買主の補充費用に相当する金額を支払うものとする。当該金額については、追加の費用・手数料および、標準量に関して買主に発生した他の合理的かつ立証可能な費用・経費を加算するものとする。
(b) 7.2(a)に基づく買主の権利は包括的ではなく、買主に提供される他の権利または救済を一切損なわない。

7.3 指令の不成立およびその帰結。
(a) 引渡日より前に本件取引に関して:
(i) 指令の施行が何らかの理由により遅延した場合、もしくは、指令が他の排出権取引制度(欧州連合域外の国が関係するもの、もしくは、指令が提案していないものの排出権取引に関するものを含むが、これに限定されない)(以下「代替制度」と称する)と代わっていたもしくは統合されていた場合、両当事者は、誠実に、かつ、第2条に従い、(A)移転に関する引渡日の延期および該当する取引制度の成立に関して予想される時間枠に対応した支払いについて再交渉するか、(B)必要なときは移転に関する引渡日および支払いにつき、代替制度に即したものとするために再交渉するものとする。
(ii) 指令が、本契約もしくは適用されるいずれかの取引制度に基づく本件取引を認識しない代替制度と代わっていたもしくは統合されていた場合、各当事者は、相手方に書面で通知することにより、本契約およびかかる本件取引をただちに解除することができる。または、
(iii) 両当事者が指令の発効を期待しなくなった場合、もしくは、欧州共同体による公表の結果として指令の続行が予定されなくなった場合、各当事者は、相手方に書面で通知することにより、本契約およびかかる本件取引をただちに解除することができる。
(b) 7.3(a)(ii)または(iii)に従って解除された場合、売主は、当該解除より前に締結された本件取引について買主から受領した金額に、9.5(b)に基づいて支払うべき金利を加算してただちに買主に返却するものとし、いずれの当事者も、本契約またはいずれかの本件取引に基づくさらなる責任を相手方に対して一切負わないものとする。

7.4 他の不履行。
(a) 7.1項および7.2項に従い、本件取引に関して一方当事者が第5条および/または第6条に従わなかったために、本契約およびEU排出権取引制度に基づいて当該移転が実現されなかった場合、相手方は、その損害賠償請求権にかかわらず、その当事者に書面で通知することにより、その通知の受領から5銀行営業日以内に移転が実現されるように、または、かかる実現が可能となるように、非遵守の治癒をその当事者に要求することができる。
(b) 一方当事者が7.4(a)に定められた期間内に不履行を治癒しなかった場合、その当事者が売主の場合は、その結果として買主に生じた損害に関する賠償として、買主の補充費用に相当する金額を要求に応じてただちに買主に支払うものとし、その当事者が買主の場合は、その結果として売主に生じた損害に関する賠償として、売主の補充費用に相当する金額を要求に応じてただちに売主に支払うものとする。いずれの場合も、当該金額については、追加の費用・手数料および、標準量に関して非不履行当事者に発生した他の合理的かつ立証可能な費用・経費を加算するものとする。
(c) 7.4(b)に基づく一方当事者の権利は包括的ではなく、その当事者に提供される他の権利または救済を一切損なわない。ただし、一方当事者は、7.4(a)に基づく権利を行使する義務を負わない。

7.5 移転の実施不能。
(a) 売主が不可抗力のために、要求された買主の取引口座への移転を締切時間までに行うことができない場合、かかる移転を行う義務の履行は、合理的な商業的方法で行動する売主が、本7.5項のさらなる規定に基づいて当該移転を実施することが可能になるまで延期されるものとする。
(b) 売主が不可抗力のために締切時間までに移転を実施することができない場合、または移転を実施することができなくなる場合、売主は、合理的に実行可能な限り速やかに(かつ、可能な場合は当該締切時間より前に)、移転を実施することができない理由を買主に相当に詳しく通知するものとする。
(c) 不可抗力事由が売主の移転実施不能性に与える影響を緩和するために、売主はあらゆる相当な手段を講じるものとする。
(d) 移転の実施不能が連続10銀行営業日を超えて続いた場合、買主は、売主に書面で通知することにより下記のいずれかの事項を行うことができる。
(i) 延期期間を買主が指定した期間だけ、かつ、買主が指定した回数だけ延長する。
(ii) 移転実施不能の故に売主が第5条および第6条に基づく義務を履行することができない場合、売主に対し当該義務を免除する(その場合、買主は対応する義務を免除される)。
(e) 7.5(d)にかかわらず、本件取引の対象となるコミットメント年(すなわち、指定年に対応するコミットメント年)につき、その移転がなされるべき当該引渡日が調整締切時間に先立って10銀行営業日以内にあたる場合:
(i) 買主は、下記の(i)に従い、
売主が移転要求実施不能の故に、第5条および第6条に基づく義務をコミットメント年の調整締切時間までに履行することができない場合、売主に対し当該義務を免除することができる(その場合、買主は対応する義務を免除される)。かつ、
(ii) 取引制度に従ってかかる調整締切時間が繰り延べられた場合、移転要求実施義務の履行は、調整締切時間が繰り延べられた期間に相当する期間だけ自動的に延期されるものとする。
(f) ただし、
(i) 移転の実施不能が、取引制度に基づいて定められた移転要求の受領・承諾に関する中央のシステムまたはプロセス内の問題に起因する場合であって、取引制度のもとで不測事態対応協定が存在し、それに基づいて売主による移転要求実施が合理的に期待されるとき、売主の移転要求実施義務の履行は、本7.5項に基づいて延期されないものとする。
(ii) 本7.5項に基づく延期期間中、第10条を理由として本契約上の買主に対する売主の責任は免除されるものとする。

7.6 超過排出量ペナルティ。売主が何らかの理由により要求された移転を締切時間までに行わないために(欧州取引記録または国際取引記録の介入の故に、移転が中断、遅延または永久的停止した場合を含む)、買主に超過排出量ペナルティが課せられた場合、売主は、買主が支払いを強いられた超過排出量ペナルティであって、売主の移転実現不履行に直接関係するものの金額を賠償として買主に支払うものとする。

第8条 付加価値税
8.1 付加価値税。本契約書に明記されているすべての金額は適用される付加価値税を一切含んでいないため、適宜、当該金額に加えて付加価値税を支払うものとする。

8.2 その他の税。付加価値税に関する各当事者の義務に従い、各当事者は、本契約に関連して生じ、法律上、その当事者によって支払われるべきすべてのロイヤルティ、税、関税その他の金額(印税、他の文書税または環境税を含む)が支払われるよう図るものとし、その当事者が第一に支払い義務を負うかかるロイヤルティ、税、関税その他の金額の支払いが相手方に要求された場合、その当事者は相手方に払い戻すものとする。
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