事例 – 覚書 [タイ(ホテル)]

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日付:( )年( )月( )日

( )株式会社(「オーナー」)と、( )コーポレーション(「ABC」)は、オーナーが、タイ国( )に開発する客室数約( )のファーストクラスの国際ホテル(「ホテル」)のABC又は関連会社によるマネージメントに関して、上記の日付にて本覚書を締結する。

1.総合
ここに両者間に最近行われた交渉において、ABCがオーナーに対して、本プロジェクトに多大の関心を有する旨を表明した事、並びに、すでにオーナーに対して写しを提供済みであるABCの国際マネージメント契約ひな型に基づいて、ホテルの運営に関するマネージメント契約及びその他の関連契約を両者間で締結する事を前提に、ABCがオーナーと交渉を続ける意思がある事を確認する。マネージメント契約に基づき、ホテルは、ABCの名称を冠し、ABCがオーナーの代理人として、ABCにより管理運営されるものとし、ホテルは、世界各地でホテルの経営に当たっているABCの豊富な経験を活用する事が出来るものとする。ホテルは、ABC予約サービス契約に基づき、ABCの世界的な予約システムの利点を享受する事が出来る。現在交渉中のマネージメント契約には、本覚書にて以下に述べる基本条件を定めるものとする。

2.下請業者等の選定
オーナーは、コンサルタント、インテリアデザイナー、その他の下請業者を選定するに当たっては、ABCと協議し、ABCの承認を得るものとする。

3.建設等
ホテルの建設、内装工事、設備の設置は、ABCが承認する仕様書、明細書に従って、オーナーが行うものとする。

4.ABCからの技術サービス
ホテルの設計計画、建設、内装工事、設備の設置の期間中、ABCは、オーナーの建築設計技術者、インテリアデザイナー、その他のコンサルタントに対して指導、援助を行うという形で、技術サービスを提供する。当該技術サービスに要する費用は、( )USドル程度と見込まれる。

5.手数料
ABCの全世界にわたる資材購入ノウハウと数量値引きのメリットをオーナーが得る事を目的に、ABCは、指導、援助を行うとともに、オーナーに代わり、オーナーの費用負担にて、家具、装飾具、設備、備品の購入手配及び管理を行うものとする。オーナーは、輸送費、交通費を含む当該サービスに関わる費用を負担し、ABCに対して、総購入価額の( )%に相当する手数料を支払うものとする。
これらの費用は、ホテルの( )予算合計額に算入するものとする。

6.ABCによる援助
ホテルの開業に先立って、ABCは、ホテル開業時のスタッフの募集、教育訓練を行い、許認可の所得についてオーナーを援助するものとする。ABCは、オーナーの費用負担により、ホテルの広告宣伝、営業活動を行うほか、ホテルの開業を滞りなく行うために必要な各種のサービスを行うものとする。上記のABCが行うサービスに要する費用は、すべて実費で提供されるものとする。
オーナーは、オーナーに提出される予算見積に従い、上記のホテル開業前のすべてのサービスに要する費用を賄うに足る資金を、ABCに事前に提供するものとする。
ABCの現時点における見積りでは、法的費用、租税公課などを除くホテル開業前サービスの費用は、客室1室当り最低( )USドルである。当該見積額は、詳細な開業前予算が作成された時点で、適宣改正するものとする。開業前予算は、マネージメント契約の署名後60日以内に提出されるものとする。

7.当初の運転資金
オーナーは、ホテルの開業に先立って、当初の運転資金を提供するものとし、それ以後の本契約期間中、必要な追加運転資金を提供するものとする。当該追加運転資金は、ホテルのすべての収入とともに、銀行口座に振り込まれるものとし、ABCは、当該口座からホテルに関わる運営費を支払うものとする。ABCの現時点における見積りでは、当初必要な運転資金の金額は、( )USドルである。

8.年間基本料及び経営奨励料
提案済みの契約書案では、ABCは、オーナーに対する各種のサービス、指導、援助の対価として、ホテルの総収入額の( )%を年間基本料として受領し、ホテルの営業粗利益の( )%を年間経営奨励料として受領する事となっている。年間経営奨励料の算定ベースとなる営業粗利益は、ホテルの総収入額から、経営者の基本料と取替積立金を含む営業費用を差し引いて求めるものとする。ただし、有形及び無形固定資産の減価償却費、資産税、保険料、オーナーの負債に関わる利息、又は配当などの固定費用は、控除対象営業費用には算入しないものとする。
ABCは、ABCに支払われるべき全ての金額を含む、ホテルの経営管理に関わる全費用を支払い、十分な運転資金を保留した上で、運営口座に残る資金を、毎月オーナーに送金するものとする。

9.取替積立金
マネージメント契約ひな形に規定する取替積立金は、本プロジェクトにおいては、当年の収入額の( )%とする。

10.予約システム
ABCは、ABCとオーナーが締結するABC予約サービス契約ひな型に定める条件に基づき、世界的な予約システムをオーナーに利用させるものとし、オーナーは、当該予約システムに参加する事に同意する。

11.ライセンス料
オーナーは、ABCの名称使用に関して、客室総売上高の( )%を年間のライセンス料とするライセンス契約をABCの関連会社との間に締結するものとする。
当該ライセンス料は、本覚書第8項に定める年間基本料から差し引くものとする。
ライセンス料は年間基本料として支払われる金額を超えない事を合意の基本としているため、ライセンス料が年間基本料を超過する場合においても、超過分に対する権利は放棄されるものとする。

12.各種ひな形
ABCが、新設ホテルに対して通常提供している技術サービスの詳細を記載したABC国際マネージメント契約、ライセンス契約、予約サービス契約のひな型は、すでにオーナーに提出されている。ABCは、上記ひな型をもとに、本プロジェクト及び現地の法規に則した修正を加えて、それぞれの契約を締結する事を期待する。

13.承認の留保
マネージメント契約においてABCの承認が必要とされている場合においても、ABCは、不合理に当該承認を留保してはならないものとする。

14.契約についての条件
マネージメント契約において合意され、規定されるその他の条件に加えて、両者間に締結される契約は、下記を条件とする。
a)オーナーとして行為する明確に定められた法的実体を証するものをABCに提出する事。この場合、オーナーの法的実体は、ABCが受け入れられるものである事を要する。この提出書類には、オーナーの財務諸表、銀行照会、主要経営幹部の身元証明など、オーナーの構成を明らかにするものを含むものとする。(これらの情報をABCに提供するための質問状は、別途オーナーに提出済みである。)
b)オーナーがABCに受け入れられるホテルの資金計画をABCに提出する事。当該資金計画には企図された自己調達金融及び負債金融に関する詳細な情報、マネージメント契約及び現地の法律に基づき適用されるその他の企図された契約の有効性に関する、ABCが要求し、ABCにとって満足な法的見解が含まれる。

c)オーナーが、当該ホテルを指定の場所に建設し、運営する事に関する現地政府、関係行政府の原則的承認を証する全ての書類をABCに提出する事。
d)ABCの上級副社長兼開発担当取締役、アジア太平洋地区担当取締役がホテル用地及びホテル経営計画を精査し、承認する事。
e)本覚書及び今後結ばれるマネージメント契約、その他の契約がオーナーの取締役及びABCの執行委員会において承認される事。
f)マネージメント契約及び関連の書類が、両当時者間に( )年( )月( )日までに締結される事。
マネージメント契約及び関連のその他の契約が締結されるまでは、両者間にはいかなる契約関係も含意されず又は発生しないが、両者は、この時点において両者間の交渉の現状を書面で確認する事が重要である旨に同意する。

本覚書で定められた条件が両者間の交渉の現状に違わないと確認いただける場合には、下欄左側に承認の署名をし、各ページにイニシャルを付して下さい。署名を行った本覚書1通を当社に返送され、もう1通は貴社用として保管下さい。
( )株式会社のために及びこれに代わり
署名欄( )
署名者( )
役職( )
( )コーポレーションのために及びこれに代わり
署名欄( )
署名者( )
役職:上級副社長、開発担当取締役